【損失回避の法則】人は得するよりも損したくない気持ちが2.5倍も強い!プロスペクト理論を学ぼう

【損失回避の法則】人は得するよりも損したくない気持ちが2.5倍も強い!プロスペクト理論を学ぼう

あなたは「得したい」「損したくない」という気持ちを比べた時、どちらの気持ちがより強いと思いますか?

こまお

えぇ!?それは得したい気持ちの方が強いのでは?

はい不正解、ブブゥ〜です。

人の心理としては得したいよりも、損したくない!という気持ちの方が強いです。

想像しづらいと思いますので、お金で例をあげてみます。あなたなら、どちらが感情を揺さぶられますか?

  • 3万円をもらえる喜び
  • 3万円を失うショック

さきほどの話だと人は3万円をもらえる喜びよりも、3万円を失うショックの方が、感情を揺さぶられる度合いが大きいはずです。

あなたはどちらの方がより感情が動きましたか?

こまお

た、たしかに3万円を失うほうが嫌かも・・・

この心理的な多くの人が持つ心の感じ方は、知っておくと商売(Webマーケティング)に応用ができ、お客様の購買意欲を高め・気持ちを上げることに役立ちます。

Web担当で、しかも50代のおっさん目線でお伝えしていきますw

プロスペクト理論とは何か?そこから見える損失回避の法則

さきほどの3万円の例にあげた損をしたくない気持ちは、人の「損失回避性」とか、「損失回避バイアス」と言われています。

これらの損失回避性は「プロスペクト理論」から提唱されています。プロスペクト理論の概要をサラッとお伝えしていきましょう。

プロスペクト理論とは?

理論というと少しむずかしい印象ですが、むずかしい話はしません(私がわからないからw)

ウィキペディアによると、プロスペクト理論は1979年に、心理学者のダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーによって発表された理論です。

プロスペクト理論(プロスペクトりろん、英: Prospect theory)は、不確実性下における意思決定モデルの一つ。選択の結果得られる利益もしくは被る損害および、それら確率が既知の状況下において、人がどのような選択をするか記述するモデルである。

行動経済学における代表的な成果としてよく知られている。 期待効用仮説に対して、心理学に基づく現実的な理論として、1979年にダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーによって展開された[1]。 カーネマンは2002年、ノーベル経済学賞を受賞している。

参考サイト:ウィキペディア

プロスペクト理論をかんたんにお伝えすると下記の2つです。

プロスペクト理論の要約
  • 人は利益に対して「確実に手に入れる」ことを優先する
  • 人は損失に対して「最大限に回避する」ことを優先する

さらに端的に言うと

「人は得するよりも、損をしたくない気持ちの方が強い」

というのがプロスペクト理論です。

こまお

人間はこのような状況下において、意思決定の優先順位があり、同じような行動をしてしまう動物のようです。。。

損失回避はいかにして起こるか?プロスペクト理論のわかりやすい実例

理屈はわかったけど、いったいどういう時に損失回避をしてしまうのか?実際の例をあげますので、試してみてください。

「利益」を得られる場面での損失(リスク)回避性

最初は利益を得られる場面で、人がどう行動(損失回避)をするか?がポイントです。

色々なWebページを見てきましたが、下記の例が一番わかりやすかったです。

つぎのような2つのくじがあったとしたら、あなたはどちらを選びますか?

  • A:90万円もらえる 確率は100%
  • B:100万円もらえる 確率は90%
参考サイト:ビジネスのためのWeb活用術。

こまお

100万円は欲しいけど確率が90%なので、確実に手に入る90万円を選ぶな・・・

このような場合、多くの人が100%で手に入れられる90万円を選びます。

この選択肢の場合の期待値(確率的な平均値)は「A」と「B」のどちらも90万円。

Aはかならず90万円がもらえる。Bは90%の確率で100万円がもらえるので平均値(期待値)は90万円になります。

Aの確実に90万円をもらえる方を選んでいる人が多いということは、「90%の確率で何も手に入らない」という損失(リスク)を回避して、確実に利益を得られる「100%の確率で90万円が手に入る」を選ぶ傾向にあると考えられます。

こまお

わたしも確実に90万円をもらえる方を選びますね。10%の確率で1円ももらえないのはリスクが高いから・・・

「損失」を被る場面での損失(リスク)回避性

次は損失を被る場面で、人がどう行動(損失回避)するかに着目してください。

確実に損をする可能性があるくじを引かなければなりません。あなたはどちらを選びますか?

  • A:90万円を失う 確率は100%
  • B:100万円を失う 確率は90%
参考サイト:ビジネスのためのWeb活用術

こまお

どちらも失う確率が高いけど、10%の望みをかけて「B」を選ぶな・・・

このような場合、多くの人が90%で100万円を失う可能性のある方を選びます。

この選択肢の場合の期待値(確率的な平均値)も「A」と「B」のどちらもマイナス90万円。

損するのがわかっている場合は、たとえ100万円を失うリスクを負ってでも、損をしない残り10%の確率にかけたいと考える傾向にあるんですね。

こまお

ある意味、賭けですよね・・・ゴクリ

人間の得する時と損をする時の損失回避性

上記の実験から2つのことがわかりました。

人間の2つの損失回避性
  • 得をする場合:利益を逃すリスクを回避しようとする
  • 損をする場合:リスクを負っても損失を回避しようとする

こまお

いずれにせよ、人間は損したくない生き物のようですね(汗)

損をしたくない気持ちは得をするよりも2倍以上も強い!?プロスペクト理論の応用ポイント

プロスペクト理論は様々な(むずかしい)実験より、いくつもの結果を残しています。その重要なポイントを紹介します。

人は1万円を得する価値と2.5万円を損する価値が同じ

数値で出されると納得感がありますよね。。。

これは行動経済学のむずかしい数式で導き出されたようですが、要は

損したくない気持ちは、得したい気持ちよりも2.5倍も強いってことです!

この損したくない気持ちをマーケティングで応用すると下記のようになります。

応用編1:損したくない不安や恐怖を刺激する【フィア・アピール】

人の損失回避性という感情を動かすものとして、不安や恐怖をあおる表現が有効になります。

フィア・アピールの例
  • え?まだ○○していないんですか?
  • ○○をご存知ですか?知らないとまずい○○について
  • あなたの○○低すぎでは!?いますぐチェック

どれも見たこと・読んだことがあるコピーではありませんか? 実は損失回避バイアスを利用していたんですね。

こまお

ただし!あおり過ぎたり度を超えると効果ありませんから

その落とし所だったり、刺激する度合は注意しましょう。あくまでフィア・アピールは注意喚起です。

次にその不安や恐怖を回避・取り除くための提案をしていきましょう。

応用編2:希少性の価値を刺激する【希少性のアピール】

とくだん欲しい商品でなくても、残りわずか!と言われると欲しくなったりすることはありませんか?

こまお

よくあります・・・

商品の希少性をあげるだけで、魅力が増して購入意欲が高まります。希少性をあげるものとしては、下記のようなものがあります。

希少性をあげる限定要因
  • 数量の限定:残り1台
  • 期間の限定:本日15時まで
  • 地域の限定:北海道エリアのみ
  • 属性の限定:主婦の人が絶賛

このよな数量や期間、地域、属性などを限定することで、希少性を高めアピールします。

それに触れた消費者の購買意欲が高まり、購入を後押しすることが可能になるのがこの希少性や限定性の訴求です。

応用編3:購入することでの損失のハードルを無くす・下げる【リスクリバーサル】

購入する側(お客様)はお金が無くなるというリスク(損失)を背負います。

その購入する商品が高額であれば、それだけリスクは高くなっていきます。

このリスクリバーサルというのは、購入側(買い手)のリスク(損失)を販売側(売り手)が負うことを意味します。

リスクリバーサルの例
  • 効果が出なければ料金はいただきません
  • 1年間返品保証
  • 全額返金保証

こまお

高額商品でも、このコピーがあれば、だったら買っても良いなと思っちゃいますね

このようにリスクリバーサルとは、お金や商品の性能の不安を取り除き、購入する障害(ハードル)を下げる効果があります。

まとめ:人は損したくない気持ちがことのほか強い

プロスペクト理論で損失回避のことをお伝えしてきて最後にひとこと。

どんだけ損したくないんだよ人間って・・・

あさはかにも最初は得したい気持ちの方が強いのかなと思いましたが、実は損をするのが、得をするよりも2倍以上も強いだなんて。。。

こまお

これを聞いたら、お得さや安さだけを訴求することが馬鹿らしくなってしまいます

ただ既述していますが、損をするアピールを使いすぎても効果は薄れてしまいます。ここは!という場面で、得と損のアピールを上手に使っていきましょう。