二級建築士の設計製図試験で使う平行定規は、値段が高く、売っている所も限られているため、特に初学者の方は買うのに苦労するのではと思います。
もしも平行定規の購入で迷われた方は、この記事を参考にしてみてください。もちろん専門予備校や先輩からおすすめされる平行定規でも問題ありません。
二級建築士試験に合格するための大事な道具です。自分で納得したもので合格を勝ち取っていきましょう。
二級建築士の製図試験を受験するんだけど「平行定規どうすればいいの?」という方のための記事です。
まずは試験に持ち込める平行定規のルールを理解しよう
二級建築士の設計製図試験において、持ち込みが可能とされている1つに平行定規があります。
その平行定規の中でも、使用が認められていない(規定に合っていない)平行定規がありますので、購入等の際に注意しなければいけないポイントです。
使用が認められる平行定規について
かならず下記の試験概要を確認・理解しておきましょう。
公益財団法人建築技術教育普及センターにおける、二級建築士 設計製図試験の概要には、下記のような携行できるものの記載があります。
初学者の方には何のことやら・・・という感じはないでしょうか。
携行できるもの
製図板〔45cm×60cm程度とし、傾斜用の軽易なまくらの使用は可とする。ただし、使用に際しての製図板の傾斜角度は30度以下とする。〕、T定規(60cm程度)、平行定規、その他の定規(直定規、三角定規、勾配定規、雲型定規)、円・だ円・正三角形・正方形及び文字用の型板(テンプレート)、三角スケール、分度器、コンパス、ディバイダー、ハケ、画びょう、製図用テープ、しんホルダー、鉛筆ケズリ、消し板(テンプレートとしての使用は不可)、計算尺、電卓(加減乗除、ルート、メモリー、%機能、関数機能を限度とし、プログラム機能を有せず、小型で音のしないもの)、問題チェック用の蛍光ペン・色鉛筆(解答するに当たり、蛍光ペン・色鉛筆で作図しないで下さい。)、滑り止めマット(他の受験者の妨げになるものは不可)
参考サイト:公益財団法人建築技術教育普及センター
携行が許される平行定規の知識が、何となくわかったという方は、次へお進みください。
試験の規定にそった平行定規は、それほど多くありません。自分の納得のいく一品を選んで試験に望みましょう。
試験に必要な平行定規の見るべきポイント
おすすめ平行定規をお伝えする前に、平行定規を選ぶ際に重要な見るべきポイントをお伝えしていきます。
1:価格よりも「コスパ」で選ぼう
価格に目がいきがちですが、コストパフォーマンスを選ぶべきです。結局はトータル的な判断ですが、高いのが良いとも限りません。
先輩から使っていない平行定規を譲ってもらった・・・というのは、費用がかかっていないためコスパは最高に良いですよね。その場合、反対に高くつく場合もあるかもですがw
2:平行定規の「重さ」を確認しよう
重さは重要です。ほとんどの平行定規が、2kg後半から4kgぐらいの重さになっています。
1kgぐらいの差とあなどるなかれ。持ち運びだけでも大変だったりします。重さだけでなく、サイズが大きい平行定規ですから。男性は良いかもしれませんが、女性は気をつけましょう。
3:傾斜角度を変えられる傾斜脚の位置
イメージしづらいかもしれませんが、平行定規の図面の傾斜角度を変更できる、裏にある傾斜脚(通常は閉じられていて、使う時に傾斜脚を起こして角度を変える)のことです。
その傾斜脚のある位置が問題です。真ん中に近い場所にあれば、奥行きの狭い机でも対応が可能です。
反対に真ん中から離れて、端っこに近くなると、奥行きの広い机なら大丈夫ですが、狭い机だと傾斜脚が出てしまいます。
ここは意外と重要かもしれません。ただそのような場合を想定して、疑似的な傾斜脚(まくら)を持っていってしまえば問題ありません。
疑似的な傾斜脚(まくら)のお話は、この記事の最後におまけ(体験談)として書いています。最後まで見ていただけると幸いです。
4:マグネットプレートは使わない
使い方は人それぞれだと思いますが、わたしはこのマグネットプレートを一切使いませんでした。
それでも合格はしているので、マグネットプレートはどの平行定規でも付属しているようですが、見るべきポイントでは無いという意見です。
マグネットプレートとは何?
マグネットプレートとは薄い金属のプレートで、製図用紙の上からでも製図板面に貼り付けることができます。
だいたい付属しているマグネットプレートは2種類の長さがあり、300mmと500mmです。
ただマグネットの接着度合いが弱いため、わたしの書き方だと動いてしまい使えなかった記憶があります。
マグネットプレートの代わりはマスキングテープ
ただマグネットプレートを使わないと用紙が動いてしまいます。わたしが製図用紙を製図板に貼り付けるために使っていたのは、マスキングテープです。
用紙を製図板面から剥がす際に、用紙をやぶらないように気をつければ、この製品が最強では?と思っていますw
5:機能はそれほど変わらないので、こだわり過ぎない
すべての平行定規で図面を書いた経験がないのでわかりませんが、各社スペックを比較しても、平行定規に大きい機能の差はありません。
もちろん好き・嫌い的な主観はあるかと思いますので、実機を見て・触ってからの購入が一番良いです。
ただ途中で壊れてしまわない限り、この平行定規だったから不合格になってしまったという可能性はありません。
重要なのは1枚でも多くの図面を書くこと。
いかに早く、製図に慣れるかがポイントです。少し嫌だなと思っていても、慣れてしまえば問題はありません。なので1枚でも多くの図面作成をしていきましょう。
コスパで選ぶと断然!レモン画翠の平行定規 MP-400LG II
ペーパー二級建築士wwである私(こまお)が自信をもっておすすめする、製図試験の必須道具である平行定規をご紹介します。
私はこのLEMON MP-400LG IIというレモン画翠の平行定規を使って合格しました。
当時(10年ほど前)インターネットはそれほど普及してなかったですが、ネットで検索して選んだ記憶があります。レモン画翠のあるお茶の水は通勤途中だったこともあり、実際にお店で手に触って確認もできました。
お茶の水のレモン画翠の他に行ったのは、新宿の世界堂です。品揃えが多かったなぁ。
レモン画翠の平行定規のおすすめポイント
そもそもが貧乏性なのでコストパフォーマンスを重視する傾向にあります。そこで最終的に選んだのがレモン画翠で売っていた「LEMON MP-400LG II」という商品です。
1:なんと言っても価格が安い!
価格は税別で19,000円です。税込価格で20,520円で販売されています。税別で1万円代のA2サイズ平行定規はレモン画翠だけでした。ほかは2万円から3万円以上はしています。
2:平行定規の重量が最軽量!
現時点では2.8kgと記載されていますが、当時は最軽量と記載されていた記憶があります。古い情報ではレモン画翠のWebページで「2.5kg」と記載されているページがありました。※2008年当時w
3:実は有名メーカーのマックス(MAX)製品と同じ
実は知る人ぞしる?という感じで、有名メーカーの平行定規「マックス(MAX)製品のMP-400FL2」と同じ製品とのことです。
「レモンオリジナル平行定規・MP-400LGⅡ」です。レモン平行定規・MP-400LGⅡは平行定規の老舗メーカー「MAX」のOEM商品です。
いわゆるOEM製品ということで、平行定規の老舗メーカーに製造委託している製品なので、性能や精度は信頼できるものとなっています。
4:最終的にコスパが良いという判断!
実際の二級建築士の現場を知っているわけではありませんが、試験以外では平行定規は使わなくなると思っていました。
なので最終的には、この価格と軽さで選びました。
コストパフォーマンスが良い平行定規ということで、今でもおすすめ平行定規として推薦できます。今では通販でも購入できるようで便利になりました。
レモン画翠の平行定規はマックスのOEM製品
近いのでこういうのもあります。こちらはレモン画翠の本家版です。マックスは定規でも有名なメーカーです。レモン画翠の平行定規はこちらのOEM製品なんです。
高くても良いものを!という方はMUTOU ライナーボードUM-06N7
実際に購入・使用していないので詳細は不明ですが、お金に余裕があって二級建築士用の平行定規を購入するなら、こちらを選びます。
おすすめポイント
傾斜角度を変える傾斜脚が真ん中に近い
ムトウの平行定規は、傾斜脚が真ん中に近い位置にあるため、狭い机でも図面作成が可能です。(使った事がないので、おそらくレベルですみません)
持ち運び用のカバンがハードタイプ
レモン画翠の平行定規はコスパが優れていて非常に良かったのですが、持ち運び用のカバンがソフトタイプだったので、キャリングバッグとはいえフニャフニャでした。
なので身体に当たると痛かったり、平行定規が痛んだりしていました。ここが唯一レモン画翠の平行定規が改善してほしいポイントでした。
その点ハードタイプなら平行定規が当って痛いということも、ぶつけて痛むことも軽減されるでしょう。
高くて・重いというのが難点
ただこの製品はレモン画翠と比べると、重量も1kgほど重く、お値段も1万円ほど高いものとなっています(汗)メリットを見いだせる方ならおすすめですね!
こちらのスペックはレモン画翠の平行定規に近いですね。ただしソフトなキャリーバッグタイプです!
各平行定規を比較してみました!
自分なりに2018年度におけるおすすめ平行定規を比較してみました。
いきなり真ん中に紹介したことがないステッドラーの平行定規がありますが、価格帯として中間にあり有名メーカーでしたので選択。
おすすめ平行定規3選
メーカー名 <型番> |
LEMON <MP-400LGⅡ> |
STEADTLER <960A2> |
MUTOH <UM-06N7> |
---|---|---|---|
税込価格 | ¥20,520 | ¥26,520 | ¥28,450 |
重量 | 2.8kg | 4.5kg | 3.2kg |
商品詳細 | レモン画翠 | Amazon | Amazon |
下記はレモン画翠さんで紹介されていた、おすすめ平行定規の比較表です。参考にさせていただきました。
おまけ:わたしの合格した年の製図試験での環境と経験(体験談)
おまけですが、ペーパー建築士であるわたしの製図試験の体験談です。
今までにない過酷な?製図環境にびっくり
2回目の設計製図試験なので、ある程度余裕な気持ちで向かいました。
1回目と違って、製図環境がかなり過酷だと思った試験会場の第一印象。というのは机の奥行きが極端に狭い大学の教室だったんです。
机と椅子が1人に1台あるタイプではなく、大学の広い講義室なので、机と椅子は一体型。
なんだこの狭さは?製図できないかも・・・
緊張していたので、それほど大げさな環境では無かったかもしれませんが、かなり焦りました。
もしかすると、今までは広くぬくぬくとした環境で慣れすぎていたかも。。。自宅は狭いですけど(苦笑)
平行定規が机からはみ出てしまう!
普通に平行定規を置くと、前にはみ出してしまいます。すごい書きづらい。
わたしの使っている平行定規(LEMON MP-400LG II)は傾斜脚が端(はじ)にあるタイプだったので、傾斜脚を起こしても机からはみ出てしまい、意味がありません。
万事休すってやつですか〜
そんな時に、試験会場途中で専門予備校の勧誘の方たちから渡された、ある一品で、その状況が打開できました。
その時起こった奇跡:製図板のまくら(擬似的な傾斜脚)ありがとう
話は設計製図の試験会場に向かう途中までさかのぼります。
試験会場に向かう専門予備校の方たちが、この疑似脚(まくら)を勧誘パンフレットと一緒に配布していたのです。
ふだんはそのような勧誘パンフレットや配布物は、ぜったいに受け取らないのですが本当に偶然、たまたま受け取っていました。
まくらのイメージはこんな感じでした
今から思うと、狭い机が想定されていた受験会場だったので、わざわざ予備校の方たちが作って配布してくれていたのかなと。
そのまくら(擬似的傾斜脚)は予備校のロゴなどの印刷もされており、完成度は非常に高いものでした。組み立て式になっており、最後にゴムバンドで左右を閉めれば完成でした。
まくら(擬似的傾斜脚)のおかげで製図が可能に
試験の開始前にそのまくらを組み立てて、平行定規を置いてみました。
おぉ、めっちゃ使いやすい!
ダンボール製のゴムバンドが左右にある三角柱の形状である、そのまくら(擬似的傾斜脚)。
ほどよいダンボールの弾力は、重い平行定規をブレずに受け止めてくれました。その左右のゴムバンドはしっかりと、わたしの激しい製図の書き込みや机と平行定規の滑り止めをしてくれました。
製図板(平行定規)のまくらよ、本当にありがとう!
本当に感謝しかありません。このおかげで二度目の製図試験は、過酷で劣悪な環境であったにもかかわらず(言い過ぎw)合格できたと言っても過言ではありません。
予備校名は忘れてしまいましたが、かなりの大手予備校でした。その節はお世話になりました。ありがとうございます(泣)
備えあれば憂い無しだなと思うとともに、偶然的な奇跡と道具の大切さを痛感・実感した経験でした。
まとめ:結論として平行定規は何でも良い!?
最後の最後に、身もふたもない見出しのタイトルになってしまいました(苦笑)
平行定規は何でも良いので、試験の規定に合ったものをサクッと選んで、1枚でも多く製図するのが一番です。
二級建築士の設計製図試験は枚数を書けば書くほど、合格に早く近づきます。1枚でも多く図面を書く経験を積み上げて、試験に望みましょう!
それではまた ( ・∀・)ノ
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